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2013年のまとめ(小説)

まとめと言っても、2013年に観た映画や本や雑誌で面白いなと思ったのを独断と独断と独断により紹介(って言っても誰も読んでないだろうけども)しようかと思います。去年は映画は50本以上、本は約100冊(何冊読んだか覚えてない)くらい読んだかと思います。その中から勝手にベストを紹介(二度目)。

 

娯楽小説だと「永遠の0」が300万部売り上げたとかなんとかなんですが、はっきり言ってああいう神話的な要素の強い小説は好きじゃないんです。ゼロ戦を美化し過ぎというか(こんな事を言ったら叩かれますね)、ああいう小説が売れるということは、読者も右傾化しているということなのかなと少し残念に思います。著者の百田さんは自民党のご用達の人じゃないですか。煽ってますよ、あれ、完全に。

 

前置きが長くなりました、まとめやります(小説編と言っても映画編があるわけではない)。

 

小説

限りなく透明に近いブルー

新装版 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

新装版 限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

 

 今まで読んだ本の中で、一番、強烈だった本が村上龍限りなく透明に近いブルーでした。文体がごつごつしていて、読みづらいけど、そのためあってか読み終わった後には頭の中に鮮明なイメージが残っている。畑でトマトを投げたり、リュウがプールに飛び込んだり、そういった記憶の断片が書かれているようにも思える。

 

国境の南、太陽の西

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

 

 村上春樹の小説はどれもファンタジー性を帯びていたり、現実ではこんなことありえないだろ?といったような現象が小説の中では起きますが、この国境の南、太陽の西は珍しくリアリズム小説です。主人公の欠落感、喪失感がテーマ。男性が過去の女性を引きずるとでもいう感じでしょうか。ジャズ喫茶経営の描写や主人公の境遇など村上春樹の自伝的要素が書かれているような(そうでもないような)。

 

 白痴

白痴 (上巻) (新潮文庫)

白痴 (上巻) (新潮文庫)

 

 上下合わせて1400ページくらいあって僕の夏休みはこの本のせいで、他の本が読めないという事案が発生。でも読後感はもの凄かった。主人公、ムイシュキン侯爵はキリストをモデルに描かれた善人。ヒロインのナスターシャ・フィリポブナは聖母マリアをモデルに描かれています。キリストと聖母マリアは切っても切ってもきれない関係(親子関係なので)。そこにエゴイストの象徴的人物、ロゴージンを登場させることによって、物語はドロドロとした恋の展開に、奪ったり、逃げたり、奪ったり、逃げたり、結末は....衝撃的でした。

 

 キャッチャー・イン・ザ・ライ

キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)

キャッチャー・イン・ザ・ライ (ペーパーバック・エディション)

 

 なんでもっと早くにこの本を読まなかったのだろう?と後悔しました。

本は読むべき時期に、読むべき本を読まないと理解出来ない。主人公のホールデンは、物事すべてが「インチキ」に見えるという。なにが正常で、なにが異常なのか?かが読んでいて分からなくなる。特徴的な文体です。いや、まじで、冗談抜きで。

 

西の魔女が死んだ

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

 

 主人公のまいとおばあちゃんの思い出。当たり前の生活って難しいですよね。気が付いたら12時近くまで眠っていた、なんてことあります。朝起きて、ご飯食べて、歯を磨いて、顔を洗ってと、なにかとおろそかにしがちな生活。疲れているとやるべきこともどんどんやらなくなってしまう。日常の生活をしっかりさせよう、そう思わせる本でした(僕にとっては)。まいとおばあちゃんが「死」について会話をするところが印象的でした。

 

車輪の下

車輪の下 (新潮文庫)

車輪の下 (新潮文庫)

 

 ヘルマンヘッセの自伝的小説。ヘッセはノーベル文学賞受賞者。にしても、頭が良かったからって、周りの大人がその子どもにあれこれ期待をかけるのは良くないですよね。子どもだって自我があり、自分の好きな事、やりたいこと、あるはずです。大人に翻弄され、自分を見失う主人公が今の子どもたちと重なる点がある。大人の目を気にして、良い子、良い成績、良い高校、良い大学、良い企業なんてそんなのどうでも良い。自分の好きなことを好きにやり、自分は自分で良いんだ、それで良いと思います。周りに比較されることほど子どもにとって辛いことはないのだから。

 

錦繍

錦繍 (新潮文庫)

錦繍 (新潮文庫)

 

 ああではなかった、こうではなかった。あの時、こうしておけば、今、こんな風にはならなかった。読み終わったあと、それを感じました。男と女のスレ違い(と言っても、男が浮気したのが原因なんだが)。それでも新しい人生に向って歩もうとする二人の姿に絶望と愛と救済と癒しと再生を見たようなきがします。往復書簡で物語が進行していて、こういう形式の小説は読んだことなかったので良かったです。

 

以上。

勝手にベストでした。