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アメリカン・スピリットの思い出

僕は普段、マルボロのライトを吸っているのだが、久しぶりにアメリカン・スピリットを買った。マルボロに飽きてきたというのでもなく、なんとなくアメリカン・スピリットが吸いたい気分だったのだ。

思えば、初めて吸ったタバコがアメリカン・スピリットだった。

あれは確か3年前の11月。

その時はもちろん20歳だったし、法律違反もしていない。でも、タバコを吸うというのは後ろめたさがあったし、罪の意識もあった(今ではそんなの全く無いんだけども…)。

タバコを吸い始める理由は人様々である。「格好良いから」「友達が吸ってるから」「単純に好きだから」「恋人に振られた」などなど。

僕は「なんか美味しそうだから」という好奇心からタバコに手を出した。

11月。外は雨が降っていた。学校から帰ってきて「今日こそは吸うぞ!」と意気込み、コンビニに行きタバコを選ぶ。

種類がたくさんあってどれを選べば良いかわからない。マルボロマイルドセブン、ラーク、キャスターマイルド

棚に並んだタバコを眺めながらどれにしようかな、なんて悩んでいると、一つ目に飛び込んできた。

ライオンキングに出てきそうな髪型をしてる男がパイプのような物でタバコを吸ってるパッケージ。

「こ、これだ」とビビッと来た。
値段を見ると460円。他のに比べて20円も高い。このタバコは他のと比べて何かが違うぞ、そうも思った。

タバコとライターを買い、ポケットに押し込み、自転車で海まで漕いでいった。

夜の海は全てを飲み込んでしまうかのようで恐かったのを覚えている。どうして海まで来たのかわからない。

ライターの火を点ける。海風で火が消える。ライターの火を点ける。海風で火が消える。ライターの火を点ける。海風で火が消える。悪戦苦闘を重ねる。

海を背に風を防ぎ、ライターに火を点け、タバコに火を点けようとするもなかなか火が点かない。

そう。アメリカン・スピリットは他のタバコと違って燃焼剤が入ってないもんだから、なかなか火が点かないのである。

それに化学物質無添加、無香料であり、葉タバコなのだ。いやいや、これがアメリカン・スピリットのストロングポイントである。

そんなこんなで僕はやっとの思いでタバコに火を点け、一口吸う。真っ暗闇の、波音だけが聞こえてくる、絶望感漂う浜辺で。

一口吸って吐く。煙が肺に入ってこない。そうアメリカン・スピリットの第二の特徴。

めっちゃ吸いづらい

掃除機のように空気を思いっきり吸わないと煙が肺に入ってこないのだ。それに吸っても吸っても全然減らない。結局、僕は半分吸って火を消した。不思議とむせること無かった。なんでだろう。たぶん、我慢してたのかもしれない。

なんだか書くの面倒になった。とにかく今日、久しぶりにアメリカン・スピリットを買って、吸っていたら、初めてタバコを吸った時のことをあれこれ思い出してしまって、こうやって文章を書いております。

うーん、やっぱり吸いづらいな、これ。

ちなみに一つ買うと、一部がネイティブアメリカンの人たちに寄付されるそうです。震災復興の募金もたしかやってたですよね。

うむ。もう、当分は良いや。