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牛舎を移動する雀と猫について

スズメについて

作業が終わると、どこからかスズメがやってくる。牛の餌のお残りを頂くためだ。細高く鳴きながら、餌をついばむ。

ところで、奴らはいつこの牛舎に入り込んだのだろう。入れる時があるとするなら、僕が牛舎を出入りする時やトラクターが出入りする時くらいなもんだ。

それも人間が中にいる間は奴らは決して姿を表さない。作業が終わったあと、牛舎から離れる所を見計らって、奴らは餌をついばみ始める。


奴らと遭遇するのは作業が終わって30分くらいの間だけだ。それ以外の時はどこで何をしているのだろうと考える。

想像する。
きっと奴らは各農家の作業の終わる時間を知っているのだ。隣の農家では8時に、また隣の農家では9時にといったように、きっと彼らは終業時間を頭に入れ、各農家を点々と飛び回っているに違いない。餌をついばむために。

それにしても彼らは夜どこで過ごすのだろう。雪が降っていて、外は寒い。風が吹けばまるで雑巾搾りされているみたいに皮膚がいたい。夜は夜でどこか屋根のある所でじっと身を潜めているのだろうと思う。そうじゃなければ、死んでしまう。

猫について

猫がのそのそと入ってくる。ニャーと言って脚にまとわりついてくる。餌を貰うためだ。子牛のミルクを少し分け与える。ちょろちょろと飲み、足に引っ掛けて全部こぼす。

脚の周りにまとわりついてくる。

「餌こぼしたから、またくれよ、な。いつもネズミ取りの作業やってるじゃないか」、と。

最初、この農家には5匹の猫が出入りしていたようだ。今では2匹しかいない。グレーと白と黒の毛の猫と片足の無い白黒の猫。

「残りはどこに行ったんですか?」と僕は聞く。

「あー、奴らは野生のキツネにきっと食われたんだろうな」と言う。

「弱肉強食ですね」と僕は答える。

「猫も猫で大変なんだよ、ここにいるとさ」と言う。


文章スケッチ終わり