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カズオ・イシグロの文章の緻密さについて

カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」を読みました。ストーリーについてはネタバレになるので、書きませんが、この本は一級品です。

この本の何が凄いかというと、構成力の高さと細部まで徹底的に拘った文章だと思います。語彙と語彙のバランス、センテンスとセンテンスのバランス、章と章の間の整合性。読者を次へ次へと世界に引き込ませる絶妙なテンポ。読んでいて、ただひたすらに文章が上手いなぁとため息が漏れるばかりでした。難しい言葉もほとんど使っておらず、行間から滲み出てくる深みが素晴らしい。それに文章も無駄がありません。必要な所は必ず書かれているし、不必要な所は削られている。これ以上、文章の量を増やせないし、これ以上、文章を減らせないといったようなところまて落とし込んでいます。なんというか、落ち着くべきところに文章が落ち着いている、と言ったところでしょうか。これだけ緻密な文章を書くには相当、頭が鋭くキレていないと不可能だと思います。

この本以外のを読んだことはないのですが、おそらくカズオ・イシグロは構成力と文章の緻密さ、そして、行間から滲み出てくる味で勝負してるのだろうと思います。まあ、文学研究者じゃないので、完全な素人の読書感想文の域に留まっているわけですが…とにかく文体や構成力が素晴らしい。

 

 

 

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)