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カフカの変身。僕は突然、虫なんかになりたくない。

読書

フランツカフカの「変身」をふと思い出して、胸が重くなった。朝目覚めたら、虫になっていた。こんな感じの書き出して始まる小説。正直言って、カフカは頭がイッてしまってると思われても仕方ないような…

 
もちろん、「虫」になるなんてのは現実的に考えるとあり得ない話なんだけど、でも、あり得そうでもある。「虫」というのは疎外される者の象徴として描かれているわけだけども、ある日突然、自分が誰かから疎外される者になるという可能性はあるんじゃないかと。昨日まで普通に話していた友達のグループに理由も分からず仲間外れにされてしまった。などなど。
 
それがこの「変身」では、疎まれる者を虫というメタファーを使って、丁寧に描いている。でも、最後のオチがなんともカフカらしいったらカフカらしい。正直言ってこの話は救いようが無い。虫から人間に戻る可能性はゼロなんだもの。一生自分は疎まれたままでいなければならない。仲の良かったグループから永久追放されたままなんて、考えただけでも頭がおかしくなりそうだ。そんなの、辛くて、辛くて、しょうがない。
 
虫の最期は、いつでも絶望的である。
 
カフカの名言
いちばんうまくできることは、倒れたままでいることです。
 

 

 

 

変身 (新潮文庫)

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