些細な嘘が周囲に誤解を招く。

エイプリルフール2014

僕は滅多に嘘をつかない。なんて言ったら、誰かに嘘つきだって後ろ指を差されるかもしれない。まあ、嘘であろうと本当であろうと、真実なんてどこにもないのだ。

僕がこれまで吐いて来た嘘の中で一番ややこしい問題に発展したのは、性別についてです。僕の名前は、男でも女でもどっちでも使われます。まあ、葉月なんですけどね。

葉月なんてまた面倒な名前なのだ。学校の先生もさぞかし苦労したことだろう。出席を確認する時に、「葉月ちゃん」と呼んだら、男の子だったなんてまさか思うはずがない。僕は学校で、名前関連で友達にからかわれる事が多かった。先生がいつもいつもいつも間違えるからだ。僕が先生から「葉月ちゃん」と名前を言われる度に周りの生徒がクスクスと笑い出す。友達も「葉月ちゃん」なんて言って僕をからかった事もあった。その度に「男で悪かったな!」と怒ったりもしたのだが…

名前を間違われることは、小学生の頃も、中学生の頃も、高校生の頃も、大学生になっても続いている。全く困ったものだ。もう、うんざりなのだ。うんざりだ!昼の光に心の闇の深さが分かるものか!一番、嫌な思いをしたのはクラス名簿がみんなに配られた時だ。名簿には「葉月」と書かれていて、これを見た人はみんな女の子だと思う。いざ僕が教室に入って、男だとわかった時の周りの落胆振り。そのことは何度も経験した。「女の子だと思ってたのに、男だったのね」って具合に。その度に「男でさーせんでした!」と潔く謝る。なぜ謝るのかわからない。周りの期待に応えられなかったからだろうか。多分、そうなのだろう。

さて、タイトルが「些細な事から面倒なことに」なのですが、前置きが終わったところで核心に迫りたいと思います。僕はまあ、名前のせいで女の子に間違えられることが多かったし、からかわれることもあったし、馬鹿にされることもあったし、謝ることもあった。そんな事に嫌気が差して、僕は嘘をついたんです。

初見の人に「あれ、男だったんだ」と言われたので「いや、女だよ」嘘を吐いたのが全ての始まりでした。

「え、だってお前、どう見ても男じゃん」と言う相手に僕は女の子を押し通したのです。

「いや、わかってないね。世の中いろんな性別があるんだよ。男の体をしていても、心は女って場合もあるし、女の体をしていても、心は男って場合があるんだよ。私の場合は、体は男だけど、心は女なんだ。葉月って名前も母さんが女の子だからって付けたんだよ。」と。

その後、僕の吐いたこの嘘がめちゃくちゃにややこしくなってしまいました。セクシャルマイノリティの方、本当にすみません。普段は、セクシャルマイノリティの方々が自分の性別についてあまり話をしないことは良く理解しています。いますが、僕はそのとき咄嗟に口から言葉がベラベラと出てきてしまったのです。

その人は、この話を聞いたとき「えっ?」という顔をしましたし「体は男の子で、心は女ってどういう意味なんだ」という顔でもありました。でも、彼はそのまま受け入れてしまったのです。あー、そういう性別の人もいるんだな!って感じで。なんの疑問も持っていないようでした。僕はその反応を見て、しまった…と思いました。「嘘だよ!」と言えば良かったんですが、もう訂正するのも面倒くさくてそのままにしてしまいました。

って、書き出してみたらこれくらいなのか…まあなんかこれ以上書くと嘘っぽく聞こえてしまうのでやめにします。

嘘をついたのは本当ですし、性別の問題がややこしくなったのも本当です。全ては「葉月」っていう名前のせいです!でも、僕はこの名前が気に入ってるので、そんなに憎んでもいないです。


※一つ嘘を吐いたら、さらに嘘を吐かなくてはなりません。正直に、素直に、話しましよう。