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カート・ヴォネガット 『母なる夜』

読書

母なる夜 (ハヤカワ文庫SF)

母なる夜 (ハヤカワ文庫SF)

なんの気なしに読み始めたカートヴォネガットの『母なる夜』が重く心にずしりと残った。いや、何も残ってはいない。ただ、この本には虚無の世界が転がっているだけであった。

主人公のキャンベル・ジュニアはイスラエルの監獄から自分の人生について語り始める。ナチスドイツのスパイとして活動していたこと(彼は広報機関に所属しており、ラジオでナチスドイツの扇動を行っていた)、それによって何万ものユダヤ人がガス室に送られ死んだこと、愛する彼の妻ヘルガが死んだこと、友人に裏切られたことなど、その波乱万丈な出来事を綴っている。

ヘイトスピーチ(最近はあまりニュースにならないけど)や政治家のナチス擁護とも取れる失言が取り挙げられる今日、この本は多くの示唆を与えてくれる、と僕は思う。

何が本当に大事なのかは、ヴォネガットさんに聞くしかない。