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井上陽水『傘がない』

日記

電車から降り、改札口を出ると雨が弱々しく降っていた。空を見上げると夜なのになんだか変な色をしている。街の灯りが、雲の中で反射しているのだろう。いやな景色だ。
帰り道の途中、さっきの弱々しい雨はますます強さを増し、小粒から大粒の雨へと変わっていった。雨粒が手のこうを強く打ちつけ、傘が必要になる。でも、鞄の中から傘をだすのは面倒。「どうせあと2分で家に着くし、いいやこのままで」と我慢した。

ますます強くなる雨。

お寺のそばを自転車で走っている時、僕はおもわず声を大にして叫ぶ。「いい加減にしろ!」と。どうしてこの言葉がでてきたんだろう。よくわからない。第一、天気に「いい加減にしろ!」と叫んだところでどうにでもならないではないか。

ますます強くなる雨。
ますます惨めな僕。
帰るときはいつも雨。
家につくと晴れ。

ますます強くなる雨。
ますます惨めな僕。
傘はある。
でも、傘はない。

中学生二人が自殺したらしい。
でも問題はこの雨。
彼女達の不幸よりもこの雨。


井上陽水の「傘がない」を真似て、適当な言葉を並べてつぶやく。すると、なんだか雨なんてどうでもよくなってきた。むしろ雨なんかより、この歌詞を体感することができて嬉しく思ってるくらいだ。

問題は、傘があることだった。
そして、家に着いた途端、雨がやんだことだ。



傘がない - 井上陽水