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『杏のふむふむ』

杏のふむふむ (ちくま文庫)

杏のふむふむ (ちくま文庫)

『杏のふむふむ』を読んでいる。普段、僕はテレビを観ない人間なので、杏さんの出演しているドラマや番組はよくわからない。たまに女性誌に載ってるのを見るくらいだ。ただ好きな村上春樹が解説を書いているのと、母親が好きだったというのもあって、買って読んでみた。

この本、とても面白い。モデル、と聞くとオーラがあったり、一般人とは違う何かを持っているものだと思ってたけど、杏さんは違ったようだ。なんかこう「普通」なのだ。

僕が好きだった章は、エンドウマメ先生の話と投球ズバーンさんの話だ。エンドウマメ先生の章では、杏さんの小学生の頃のことが書かれていて、その時点でグッと惹かれるものがあった。ああ、いまやモデルやテレビに出ている人でも、ごく普通の小学生の生活を送っていたんだ、と思うとホッとした。投球ズバーンさんの章は、僕も野球をやっていたこともあって、面白く読めた。リトルリーグで硬球を投げて打っていたとは驚きである。本書にも出てくる「新品傷つけの儀式」は、運動部なら分かる話。そう、道具というのは、汚れていたり、くたっていたり、使い慣らされて味のあるものこそ、道具といえるのだ。新品のグローブを買った時に、ワザと土を付けて「使用感」をあえて出したりしたのを思い出した。

あとこの本の面白いところは、人との関わりの中で杏さんがふむふむと考えて、ひとつひとつ自分のモノにしていってる姿が見えるところ。
自分のことよりも、誰かの話で役に立ちそうなこと、感動したことをひとつひとつ、押しつけがましくなく、伝えてくれる。この前、面白い話を聞けたから、教えてあげるよ、って具合に。

写真とか観ると、ちょっと遠くなってしまうので、僕はこのエッセイから彼女を知ることができてとても良かったです(というと、お前はいったいなんなんだ?と言われそう)。

でもそれがかえって良いのかもしれないな。まずは、彼女が出演しているラジオ番組ブックバーから聴いてみようかな。